今回は、ミュージシャンの石川俊介さん(1986~1999まで聖飢魔Ⅱのベーシストとして活動)貴重なお時間をいただき、去る2003年8月8日にインタビューいたしました。
大貫カメラ店では、定期的にインタビュー企画を
開催しております。

石川俊介さんへのファンレターはコチラから
info@shunsukeishikawa.com

ローライフレックス 2.8Dプラナー


●プロフィール
◆生年月日 S.37/6/22
◆出身地 横浜
◆趣味 映画鑑賞、写真
◆略歴 1986~1999まで聖飢魔Ⅱのベーシストとして活動

 

 

Canon F-1 135/2 NewFD

CanonF-1 85/1.8ssc

【 石川俊介さんへのインタビュー 】

大貫カメラ
スタッフ

(以後スタッフ)
今日はよろしくお願いいたします。
石川さん よろしくお願いします。
スタッフ まずは、お生まれをお聞かせください。
石川さ 生まれは横浜です。
スタッフ カメラに興味を持ったキッカケとその時期を教えてください。
石川さん 随分、小さい頃ですね。
うちの親が好きだったので、物心ついたら親父がカメラ持って、
日曜日とか盆とか正月とか親戚が集まるときとか
写真撮ったりしてますよね。
そういうのに段々関心があって、
それで、中学の頃になると自分のカメラが欲しくなるから
でもまだ買えないから写真部に入ったんですよ。
中学の時代はその写真部に行くと、カメラ持ってる友達が集まりますから
そこでまあ、カメラの話をしたり、そういうまあ。時代を過ごしてました。
スタッフ それからずっと今までカメラを続けているんですか?
石川さん 一時期、ブランクがあるんですよ。
高校行く頃には写真から遠ざかって、
大貫さんに来るようになったのは10年ぐらい前ですかね。
それで、第2の写真生活じゃないけど、また始まったんです。
スタッフ 再開しようとしたキッカケは何かあるんですか。
石川さん キッカケは僕の知り合いの人がですね、
「実は写真が好きなんだよ」
って話をしたんですよ。
あっ、写真だったら僕も中学の頃やってたなってことで、
それでココ(大貫カメラ店)に来たんですよ。
その頃は実はライカとかそういう外国のクラシックカメラの知識が無かったんですよ。
国産の一眼レフぐらいしかニコンとかキャノンとかそういうものしか知らなかったんですよ。
大貫カメラに来るようになってから、いろいろライカとかコンタックスとか、
レンジファインダーとか蛇腹式カメラ(じゃばら式カメラ)とか、
色々あるじゃないですか。
で、まあ、自分がそれまで思っていたよりも随分、いろんなカメラがあるんだなあと、
さらにカメラの世界にはまってしまったという感じですね。
スタッフ 今、石川さんがお使いのカメラを教えていただきたいのですが。
石川さん いっぱい使っているんですけど・・・(悩む)。
スタッフ 一番使われているのは何でしょうか?
石川さん 一番使ってるのは・・・最近だとローライフレックスとか、35mmだと
ライカフレックス、ライカR8とか。
そういうライカの一眼レフ、それとM型ライカ、M型ライカ各種、その辺が多いですね。
そのへんが多いですね。
スタッフ 最近、おすすめのカメラとかレンズはありますか?
石川さん 何でしょうかね・・・。
最近のおすすめですか・・・。
興味があるのはフォクトレンダーの35の1.2とか、
そのへんは今まで未知の領域でしたから。
欲しいんですけど、まだ買うには至ってないんですよね。
スタッフ そのレンズはどういったところが良いのでしょう?
石川さん 明るいっていうのがやっぱり。35で最高は1.4だったんですけど、
ライカのズミルックス35のイチヨン、
そのレンズが一番明るいレンズだったんですけど、
それよりもさらに単絞り明るい1.2というのが出ましたから。
興味があるとことですよね。
スタッフ 今まで長い間、カメラを撮られてきて良かったことは何ですか?
石川さん そうだなあ・・・。
色々写真の楽しみ方ってあると思うんですけど、
僕はコンテストに応募したりとか写真展やったりということはないんですけど、
でもその写真を撮る行為だったり、カメラを好きだっていう連中が集まって、
こう親睦を深めることで、すごく人間同士のふれあいがあるんですよ。
そういうことが一番大きな収穫だったんじゃないかなって思いますね。
スタッフ 石川さんが撮られてきた作品の中で良かった作品、これが一番良いんじゃないかなって作品を教えていただきたいのですが。
石川さん 自薦でこれっていうのはなかなか、自分ではこう見つけられないっていうか。
常に問題点を、自分なりに反省材料としているのはいっぱいあるんですけど、
なかなかこれがベストっていうのは絞りきれないですね。
自分なりに何点か気に入ったのはあるんですが・・・
スタッフ そういった写真は自分の中でまだ納得がいかないというか、そういう面があるんですか?
石川さん そうですね
スタッフ 石川さんが主に撮られているモチーフを教えていただきたいのですが。
石川さん スナップですね。人物のいる風景だったり、街で見かけたモノだったり
そこに置いてある何かだったり、落ちている何かだったり例えばそういうものですね。
スタッフ さりげないモノという・・・、それは横浜が多いんですか?
石川さん そうですね。
たまに遠出もしますけど、でも、基本的に横浜で撮ってますね。
この界隈とか
スタッフ これから先も撮っていくと思うのですが、これから撮ってみたいとか、これからモチーフにしたいものはありますか。
石川さん そうですね。
行動範囲がもうちょっと広くなれば、知らない街だったり
そういうまだ見たことない風景だったり、
そういうものは自分の中で見つかるといいなあと思ってます。
同じ写真とか、いつも通り慣れている場所でも何か違って
見えたりするじゃないですか。
スタッフ そうですね
石川さん そういうことなのかもしれないですね。
何か視点が変わると同じ風景が違って見えたり、
自分の中でそういうものが見つかればいいんでしょうね。
スタッフ 自分の心境とかでも変わりますよね。
撮られてきて苦労したこととか、大変な目に遭ったということでもいいですし、
撮っている中で自分自身で納得がいかなくて苦労したこととかはありますか?
石川さん 何かうまくいかないことも含めて、ファインダーのぞいたときに、
被写体見ててシャッターを押すっていうのが大事なんだなって思う時があって、
それはそれで失敗の記録として残るので、だから一番辛いのは、
撮りたいのにフィルムが無くなっちゃったとか、カメラが故障したとか(笑)
スタッフ 単純な理由なんですね(笑)
石川さん そういう状況だけはならないようにしてるんですけど、
でもそういうこともありますよね(笑)
だから何でもいいから写ってくれれば、それはその時のメモリアルにもなるので
作品にはならなくても記録としては残るわけでしょ。
だからとにかく残すようにはしているんですけど。
まあ、場合によっては途中でフィルム無くなっちゃったり、
あとまあいいやこんなん撮らなくてもって
シャッターを押さなかったこととか、それがあとになって何であの時、
シャッターを押さなかったんだろって押しておきゃよかったのになあって
思うことがありますよね。
スタッフ フィルムが無くなった時というのは、撮影に没頭していて気付かなかったとかそういうことですか?
石川さん そう、没頭していて、撮っていて、だから常にそのどんだけ撮ったとか
あと何本フィルムがあるっていうのを確認してシャッターをきってるつもりなんだけど、
勘違いってあるじゃないですか。
フィルム持ってきたつもりが、あれっ、とか、そういうことってたまにありますよ。
新しいフィルムだと思ったら撮影したフィルムだとかね。
スタッフ そうすると、これからまだ撮りたいものがあるのに撮れないという状況に・・・
石川さん そうですね。それはだから悔いが残りますね。
遠出なんかしてたらなおさらだと思いますね。

 

 

Leica M3 ケルンスイター 50/1.8

 

コンタックスS2 マクロプラナーC 60/2.8

スタッフ 先ほどおっしゃってましたが、個展などは全くやらないんですか?
石川さん 今まで全くやったことはないです。
将来的にそういうことができればいいなあとは思いますが。
スタッフ 残した作品というのは、友達に見せたりとかするんですか?
石川さん そうですね。大体、みんなに見せて、みんなが見せてくれてっていう・・・
そういう中で自分の写真がイケてんのか、イケてないのか。
そういうのが判断になりますよね。
スタッフ 見せる相手はアドバイスをしてくれるんですか。
石川さん そうですね。
スタッフ 大貫カメラさんもいろいろ飾ってあるんですが、飾ったことはあるのでしょうか?
石川さん 飾ったことはないですね。
飾れとはよく言われるんですが(笑)
スタッフ 飾らないのは何か理由があるんでしょうか?
石川さん 理由ですか。飾る程のものは、まだ自分の中では無いので・・・
スタッフ 飾りたいものを追い求めているという・・・
石川さん うん・・・(考える)、でも何か飾るのが目的じゃないんですよ、僕の中で。
個展をやるのもひとつの節目なのかもしれないけど、
例えば自費で写真集を出すとか
個展をやるとか写真を撮る中での最終目標というか
それがテーマでやってるわけではないんですよ。
スタッフ 今は記録に残したいっていう気持ちが強いんでしょうか。
石川さん 記録・・・っていうんでしょうかね・・・何なんでしょう・・・。
スタッフ 撮りたいっていう気持ちですね。
石川さん そうですね、常に撮りたいっていう気持ちは強いですね。
で、何か作品っていうのは過去のものになっていくから、
どうしても自分の次に期待しちゃうっていうかな・・・。
次はもっといいもんが撮れるんじゃないかっていうとこに頭がいっちゃうんで。

ある一定の時期が過ぎると次のものっていうか、今まで撮ってきたものって見れない時期があって、だけどうんと時間が経つと写真て違った意味を持ってくるんですよ。
そういう面白さがあって自分が撮ったものなんだけど、自分が撮ったものじゃないようなイメージになるんです。

ある一定の時期が過ぎると、撮った記憶が無くなるんですよね。
その写真を見たときにこんな撮り方してたんだ俺はとか、
そういう第三者的な見方ができるんですよ。
そうなるとはじめてそっから自分の作品が選べたりすることはある(笑)
主観的じゃなく客観的に物事を見れることがあるんですよ。

だからたくさん撮ってたくさん撮り貯めるっていうのは、大事なことなのかなって思うことがあって。
スタッフ たくさん撮ったものは何回も見たりとかするんですか。
石川さん うん。たまにひっぱり出したりしますね。
スタッフ それは、膨大な数になりますよね。
石川さん 膨大な数になりますよ。
ものすごくくたびれますね。
整理もちゃんとやらないと、いつ撮ったものなのかわからなくなりますね。
スタッフ 最後なんですが、これからカメラに興味を持った方とか、
これからカメラをやってみようと思っている方にメッセージ的なもの、アドバイス的なものをお願いします。
石川さん 選択肢がたくさんありますよね。
デジカメやら銀塩とか一眼レフとか機械式だったり
マニュアルだったり、それこそ機械も個性がありますし。
写真って何かすごくフィルム入れてシャッター押すだけじゃないですか。
それで誰でも簡単に撮れるんですよ。
デジカメなんて、フィルム必要ないし、シャッター押してその場ですぐ見れて、
気に入らなかったら
もう一回やり直しができちゃう。
だから僕達が写真はじめた頃は、デジカメみたいのは無かったんで、
写真ってある種、一発勝負的な気合いというか真剣勝負的な部分が
すごく強かったんですよ。

だから、そういうとこってデジタルから始めちゃうと銀塩に移ったときに、
ある種のとまどいってあるのかなって気がするんですけど、
若い人とか女性とかそういうのって何を持って写真なのかなって
思うときがあるんですよね。
もちろんデジカメでも作品は撮れると思うし、
銀塩ってデジタルにはない緊張感があると思うんですよ。
だからそうやって今いっぱい選択肢があるから何をチョイスしてもいいし、
逆にいろんなものがあふれ過ぎてて
何を選択していいのかわからない人が大勢いると思うんですよ。
まあ、要するに自分でしっかり信念みたいのがあれば、
かえっていっぱい選択肢がある世の中だから、いっぱい活動して、
自分のやりたい、自分のクリエイトしたい世界を開ける
と思うんですよね。いい時代ですよ。だからそういう意味では。
スタッフ

始めるには信念とか目的とかあった方が良いということですか。

石川さん

そう思いますよ。キッカケがイージーでも入れちゃう世界でしょ。
でも、それだと深いとこまで潜っていけないと思うんですよ。
どっかで止まっちゃうし、まあ、それでいいんだったらそこまでなんでしょうけど。
何か趣味として、もっと掘り下げたいんだったら、銀塩もデジタルもたぶん無いですよね。
そこにやっぱ自分の表現したい世界ってのがあるわけだから。
それを表現するためのカメラは道具なんですよね。

いっぱいあるんで、いっぱいお金使って、色々迷ったり無駄なお金使ってそういうのも勉強代だと思って、
自分が信じる道を進むのがいいんじゃないですか。
たくさんある選択肢の中から自分で勉強して自分の道を進むのが。
だからたくさんレクチャー本ありますよね。
そういうのを読んで最短距離というのがわかるかもしれないんですけど、
あえて回り道した方が面白いんじゃないですかね

お互い

ハハハ(笑)

石川さん たぶん自分の感性と違うってことって出てきますよね。
それにぶち当たったらまずそっちの感性の方に進んでみて
失敗したと思ったら戻れば。
そうやって確かめていけばいいと思います。
そう思います。
スタッフ 今日はありがとうございました。
石川さん ありがとうございました。
 
三角測量の原理で距離を測る装置のことを言います。
この距離装置が搭載されたカメラを、属にレンジファインダーと言います。

 

CanonF-1 FD 85/1.2 SSC アスフェサカル