今回は横浜出身の林 寿男(ハヤシ トシオ)さんをゲストにお招きしてお話を伺いました。
以前撮られていた富士山撮影の想像以上の難しさ、一方富士山をこよなく愛する方々で深まる輪。
カメラの影響力にご期待ください。

NIKON F6 AFS 28-70スラッシュ2.8

 

●プロフィール
◆大貫カメラ歴 35年以上
◆出身地 神奈川県横浜市
◆趣味
写真、映画、読書
◆所有カメラ ニコマート、ニコンF2フォトミック、ニコンNewFM-2、ニコンF3、ニコンF5、
ニコンD70S、ニコンクールピクス5000、他

 

NIKON F6 VR24-120

 

【 林 寿男(ハヤシ トシオ)さんへのインタビュー 】

大貫カメラ
スタッフ

(以後スタッフ)
宜しくお願いいたします。
林さん 宜しくお願いいたします。
スタッフ

林さんのご出身はどちらのほうになるんでしょうか?

林さん はい、地元の横浜になります。生まれも育ちも横浜です。
スタッフ 初めてカメラに出会ったのはいつごろになるんですか?
林さん 正確には覚えていないんですが、小学校5年からですね。
スタッフ 小学校5年からですか。
林さん ええ、昔のことですから、ちっちゃなカメラで、当然モノクロのカメラですけどね。
で、中学の頃にFUJIのフジペットを。 カメラらしいカメラとして初めて買ってもらったのがこのころです。当時は近所を撮っていて知識もないものですからほとんどベタ焼きでしたけども。現像するお店が、たまにいい写真があったら大きいサイズで焼いてくれたんですよ。
スタッフ お店側がサービスで?
林さん ええ、そうなんですよ。
スタッフ それはとても嬉しいですね!
林さん

ええ、とても嬉しかったです。で、それからしばらく写真を撮らない時期がありまして、その後買ったのは新婚旅行用に買った、ヤシカのエレクトロ35です。

スタッフ それまではずっとブランクがあったんですね。
林さん

ええ、ブランクの間は模型造りにはまって、社会人になってからは車に夢中になりましてね。

スタッフ ははは(笑)

 

NIKON F3 Ais24スラッシュ2.8 

 

NIKON F6 AFS 24-120VR

 

NIKON F6 AFS 24-120VR

 

林さん

われわれの時代、課長クラスがやっとサニーの1300を買えるくらいなんですが、私は独身貴族の走りで、やっとのことで車を買いましたが、周りからは批判の嵐でしたけども(笑)その車で彼女とデートをしたときに持っていたカメラでよく写真を撮っていましたね。
そのときのカメラは今で言うペンタックスSPです。
ここで初めて一眼レフを手にしました。

スタッフ あ、ここで初めて一眼レフを。
林さん それまでは先ほどいいましたように中学、高校の趣味が模型造りなんですが、出来上がった模型をコンパクトカメラで撮影するんですけど、当時パララックスを知らなくてどうしてもずれちゃうんですよね。ちゃんとファインダーを覗いて撮っているつもりなのに、仕上がったものを見ると、「何でこんなずれちゃってるんだ?」と、それで一眼レフに対して憧れを持ったんです。
スタッフ 一眼レフでもどういうカメラに憧れをもっていたんですか?
林さん わたしはメーカーにはこだわってませんで、見た目のかっこいいカメラがほしかったんですよ。一番最初に買った一眼レフはオリンパスのOM1。
スタッフ OM1ですか。
林さん デザインが好きで買ったんですよ。
しかし、残念なことに手に合わなかったんですね。持ち方が悪かったんだとは
思うんですけど、うまい具合に手や指が落ちつかなくて指が写っちゃったりとか(笑)
スタッフ あはは(笑)
林さん

まあ、カメラにまた夢中になったのも長女が生まれてからなんですけど、それから大貫さんにお世話になるようになりまして、かわらずカッコ第一主義でしたからニコンにするかキャノンで結局カッコでキャノンNewF-1を選びました。モータードライブも付けて。

スタッフ モータードライブですか!バンバン撮れますね。

 

NIKON F3 Ais35スラッシュ 2

林さん ええ、でもカッコだけですから(笑)  
電池は12個なんですけどね。あれは鎌倉だったかな、モータードライブで撮ってて電池を切らしましてね、近くの電気屋さんに飛び込んで電池を買ったんですけど、単3を12個でしょう。電気屋さんびっくりしてましてね。
「え!こんなに使うんですか?」
今から思うとやたら多く使うし重いですよね。
後にも先にもモータードライブを多用したのは子供の運動会ですね。
200mmの望遠で連写しましたよ。いやー快感ですね。
周りのひとはなんだなんだと言う目で見ていましたよ。
当時モータードライブは聞いたこともない時代でしたから。
スタッフ それは相当びっくりしたでしょうね。
林さん

ええ、しかしモータードライブはいい音ですからね。
大貫さんと深く付き合うようになったのは、それからですね。

そのころは記念写真を撮ってましたよ。
家の押し入れにいっぱいのアルバムがありますよ。やたらとファミリー写真を撮ってました。娘2人だったもので、中学、高校と撮っていったんですが
だんだんスッピンで撮ったらダメよ。と(笑)。まあ女の子ですから。
で、嫁さんは嫁さんで若くなくなってきたからもう嫌よ。と
結局モデルがいなくなってしまったんですよね。
モデルがいないんじゃどうしようかと、それで風景を撮るようになったんですけども
そこで撮るようになったのが富士山なんです。
始めるにあたってペンタックス67、645に乗り換えました。
なんだかんだで2年は通いましたね。

スタッフ その2年間で印象に残っていることはありますか?
林さん そうですね、一番すごかったのは1週間泊まりこみで、撮ってやろうとしてたんですけど、せっかくとまったのに一度も富士山が出てくれなかったことですね。

 

NIKON F5 AF16mm f2.8フィッシュアイ

 

スタッフ そうなんですか。
林さん

ええ、天気予報もしっかりチェックをしていくんですけど、そうは行かないものなんですよ。
富士山は空と雲がねらいで いつもぎりぎりの天気を狙って撮るんですよ。
だいたい撮るのは朝焼け、夕焼けになってきますね。  
通常は、もちろん横浜から富士山は遠いですから、天気図を見てから真夜中車でとばして現地に3時くらいに着いて、構えるんですけど、ぎりぎりの天気を狙ってる分、なかなか当たらなかったですね。  
  
でも当時他の面で楽しかったのは、カメラマンが多くいたんですけど、みなさんマナーが良いんですね。で、皆さんで情報交換もするんですよ。
もちろん機材自慢とか、自分だけのテクニックなどを話さないのは当然ですけど。
私側は、恩返しじゃないですけど、関西からこられる方が多くてですね、車でお勧めのスポットを紹介して回ったりしましたね。
案外穴場って通い詰めないとわかりませんからね。

スタッフ なるほど。
林さん 富士山に関しては夜中から出て、現地に3時について仮眠を取った後夜明けから撮影が流れで、3時から夜明けまで時間がありますけども、やっぱり場所取りが大変なんですよね。なので、三脚を立てて確保しないと無理なんですよ。
で、案外こういうところって狭いんですよね。場所取りって結構疲れますよ。  
スタッフ 想像以上の厳しさですね。

 

NIKON F5 AFS 17-35スラッシュ2.8

林さん なんだかんだ2年間よく通いました。(笑)
それから私は35mmに戻ったんですけど、
大貫さんの推薦でNIKONに切り替えました。
NIKON F5を最大4台もってましたね。
スタッフ 4台ですか。
林さん

ええ、F5からさらにF6を2台入れて
結局は写真を撮るならF6が最高に良かったですね。
レンズも新しいものでしたし。
ただ、あんまりにも簡単にいいものが撮れるので面白くなくなって
しまったんですよね。カメラってやっぱり人それぞれこだわりがあるものです。
NIKONの数台は下取りしてもらいました。
最近買ったのはニコマートFTNの2台です。これは30年前のものなんですけど
状態がいいんですよ。
これでモノクロをやってますね。
大貫さんはいいものからお勧めしてくれますから、マメにお店に顔を出しておかない
と逃しますよ(笑)
そういう意味では、インターネットを利用している人は非常に有利だと思いますね。
リアルタイムで情報が入って、欲しいものはすぐ手に入りますからね。
しかも全国ネットでしょう?だから店に出向く私としてはいいものの取り合い
になりますから大変ですよ。

 

 

NIKON F5 AF35スラッシュ2

 

スタッフ そうですね。(笑)しかし、林さんはいろんな機材をお持ちなんですね。
林さん

ええ、今もってる機材は先ほどお話したFTN2台とNIKON F3が4台です。
ふつうのタイプ1台、チタンタイプ2台、報道カメラマンが持つようなプロのタイプが1台。
デジカメも持ってるんですけど、使いこなせないですね。
孫のスナップショットくらいです(笑)風景写真は銀塩のみです。

今自分のうちのいたるところに飾ってるんですけど、トイレとかにも飾ってるんでゆっくり
見れるんですけど、ともかく嫁さんの評価が厳しいですね。
まずほめないですよ。下手にほめるとまたカメラにお金をつぎ込まれると思ってるのかも
しれないですけどね。(笑)
なんだかんだで今は嫁さんも写真を撮ってるんですよ。
一緒に出かけてカメラを渡して、重いカメラは嫌だとかいろいろ言われますよ(笑)

スタッフ あはは(笑)

 

NIKON F5 AF35スラッシュ2 

 

NIKON F5 AF35スラッシュ2

 

林さん しかしね、女性は感性が豊かですね。仕上がりを見るとよく、この色使い、やられた
と思うこともしばしばあるんですよ。ええ。
でも同時に写真の難しさがわかったんでしょうね。以前の酷評はなくなりました(笑)
スタッフ 奥様と一緒に撮る事でいろいろ発見が生まれて、互いに評価することでより磨きがかかりますね。
林さん そうです。それがうれしいことですよ。
スタッフ それでは奥様と同様に
これからカメラをはじめらる方に何かアドバイスをいただけますか?
林さん 写真を語るほどのキャリアはないんですが、やはり数ですね。
要するにお魚を釣るのと同じだと思ってるんですよ。
撮っているうち技術はそれなりについてきますけども。
で、最後の勝負何かと言うと運だとおもってるんですね。
だんだん大きな魚のいるポイントを抑えてきますけども、
それで大きな魚がつれるかどうかは、やはり通いつめて確率をあげるしかない
と思ってるんですよ。なので写真においても同様ですね。
みなさんもどんどん撮って良い写真に出会ってください。
スタッフ ありがとうございました。それでは今後のご活躍を期待しております。
林さん どうも。ありがとうございました。

 

NIKON F5 AF35スラッシュ2

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お待ちしております!
大貫カメラ: ohnuki.c@lily.ocn.ne.jp